Pâtisseries Régionales Françaises
フランス地方菓子
南部にMassif du Juraジュラ山脈、北部にMassif des Vosgesヴォージュ山脈に挟まれた地域圏で、非常に牧歌的な雰囲気です。これは『地方菓子』についても言え、非常に素朴な菓子が多かったです。現在では精密機械の製造で栄えている地域ですが、以前はメガネやパイプといったユニークな名産もありました。これも水がきれいなことなどに由来していると考えられるかもしれません。中世初期からはブルグンド王国の一部として、中期からは神聖ローマ帝国ブルゴーニュ伯領にあたります。ここで注意が必要なのは中世後半で一大勢力となったブルゴーニュ公国とは違うということです。フランス語でいうと伯領comtéと公領duchéです。どちらもBourgogneですが地位が違いますし、宗主(神聖ローマ皇帝とフランス王)も違います。ちなみブルグンド王国もフランス語ではRoyaume de Bourgogneです。ブルゴーニュ伯領は名前はそのままブルゴーニュ公国の一部となったり、フランス王家の一部となったりもしましたが、神聖ローマ帝国・スペイン王国ハプスブルク家の領土から最終的に17世紀後半からはフランスの領土であり続けています。一方、この地域圏にはもう一つの伯領が存在しており、それが神聖ローマ帝国モンベリアル伯領です。現在のMontbéliardモンベリアルの周辺のかなり限られた地域ですが、この地がフランスに併合されたのは18世紀末です。ですので、この地域はAlsace同様にドイツ文化の影響を色濃く残しています。
【Franche-Comté / フランシュ・コンテ】
Pontarlier / ポンタルリエ
Besançonブザンソンからバスで1時間程山の方へ行った場所にあります。さすがに季節柄たくさんの雪がありましたが、それでもフランスの自動車はチェーンなどしていません。凍結してても滑って走って、滑りながら止まります。逞しいのやら無頓着やら、彼らに言わせれば「C’est la Franceそれがフランスだ」なんでしょう。この町は20世紀初頭にヨーロッパで禁止されるまで人気を誇った「liqueur d’Absintheアブサン酒」の一大生産地でした。これはニガヨモギ、アニスなどの薬草を使ったリキュールですが、ニガヨモギから出るツヨシという成分が毒性・中毒性があるので禁止されました。現在ではこれによく似たアニス酒として作られた「Pastis(偽物の意味)」という代替酒がよく知られています。
Besançon / ブザンソン
Besançon Viotteブザンソン・ヴィオット駅下車。Mulouseミュルーズから2時間ほどです。SNCFの駅は丘の上にあり、町が眼下に広がる感じなので、かなり歩かないと中心部まではいけません。また、帰りは当然登りです。Doubesドーブ県の県庁所在地にしてこの地域圏の首府であるだけにそれなりに大きな町ですが、他の首府に比べるとこじんまりした感じがします。町は川の蛇行によって輪っかのような感じになっており、古代から軍事的な要衝となっており、町にはルイ14世に仕えた軍人・建築家のヴォーヴァンの手による城塞が残っています。これは「Fortifications de Vaubanヴォーバンの作品」として世界遺産に登録されています。