Angoulêmeアングレーム駅下車。Saintesサントから電車で1時間程です。中世からアングレーム伯・公領の、そしてそれに続くAngoumosアングーモワ州の中心しとして栄えた大きな町です。
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この町には18・19世紀から続くchocolaterieチョコレート屋があり、それらがいくつか特徴的なspécialitéを作っています。まずは『Marguerite d’Angoulême』と呼ばれるものです。これはなんてことはないchocolatでなかにconfit d’orangeオレンジの砂糖煮が入っています。まずmargueriteとはフランス語でヒナギクを意味し、この菓子はその形を取っています。次にmarguerite d’angoulêmeとは歴史上の人物の名前です。もちろんこの町にちなんだ人物です。その人とは「ナントの勅令」で有名なフランス王HenriⅣアンリ四世の母となるJanne d’Albretジャンヌ・ダルブレの母である、アングレーム伯の娘としてこの町で産まれたMarguerite de Navarreマルグリット・ド・ナヴァルのことです。またこの人はフランスにおけるルネッサンス文化を広げたFrançoisⅠフランソワ一世の姉でもあり、彼女自身もフランス・ルネッサンスの庇護者として有名です。この「chocolatの菓子」を確固たる由緒をもってこの名前、この形で売る事が出来るのはこのAngoulêmeの町だけなのです。これが『地方菓子』の面白いところであり、歴史を語らねばならないという複雑でもあります。彼女に因んでもうひとつ「Gâteau Marguerite」という菓子があります。これはpain de gêneパン・ド・ジェーヌ(アーモンドペースト主体のgâteau de voyage(日持ちする菓子)の一種)にGrand Marnierグラン・マルニエ(オレンジ風味のliqueurリキュール)をimbiberしみ込ませ、上にconfit d’orangeをのせたものです。さらにもう一つのspécialitéは「Dussesse d’Angoulême」というものです。直訳すると「Angoulême伯爵夫人」ですが、フランス史上でこの名前で主にでてくるのはフランス革命で有名なLouisⅩⅥルイ十六世とその王妃Marie Antoinetteマリー・アントワネットの娘であるMarie Thérèse de Franceマリー・テレーズです。その名の通り彼女はAngoulême伯Louis Antoineルイ・アントワーヌ(幻のLouisⅩⅧルイ十九世)の妻ですが、革命期に生きた王族の宿命かのように亡命・流転の人生を送り人々の同情を誘う人物でした(しかし不人気)。この菓子ですが、nougatineヌガティーヌで作った筒の中にpralinéをfourrer詰めたものです。この他の『地方菓子』といえるものとして「Liqueur Cognac」というものがあり、これは所謂ウィスキー・ボンボンのCognac版です。また、Cognacの町でも見られた「Bouchon Cognac」もありました。他には「Cornuelle」という菓子もあり、これは三角形で真ん中に穴のあいたpâte à sabléサブレ生地の上にgrain d’anisアニスの種子を糖衣掛けして赤と白に着色したものをのせます。この三角形はSainte Trinitéキリスト教の三位一体を表しています。

Angoulême / アングレーム