

Pâtisseries Régionales Françaises
フランス地方菓子

Lusignan / リュジニャン
Poitiersポワティエから車で30分ほど行った場所にある小さな町です。この町は中世においてはリュジニャン伯爵家の本拠地として栄えましたが、現在では非常に小さい町です。丘の上と下に町は分かれていますが、歴史建造物があるのは丘の上になります。この町には面白い伝説が残っており、それはここLusignan伯爵妃についてです。そして今は亡きこの町の城は彼女によって作られたとされています。彼女の名前はMélusineメリュジーヌといい、彼女は美しい女性でここの伯の妻となったのですが、実は妖精と人間の子であり、妖精である実の母の呪いによって週に一日だけ下半身が水蛇になってしまいました。この呪いを解くには人間に愛されなければならず、そのために彼女はここLusignan伯のもとを訪れたのです。かくして彼女は伯の妃となりますが、彼女の言いつけにも関わらず伯はその一週間のうちの一日に彼女を見てしまいす。その姿を見られてしまうと一生その姿でいなければならかったのですが、伯は彼女を妃とし続け、彼女達には子供が出来ました。しかし、産まれた子供達は性格的にも外見的にも(大牙があったり一つ目、三つ目だったり)人間のそれとは違っていたため、ある日伯はそのことを彼女のせいだと「化け物女」と罵ると、彼女は川に飛び込み姿をくらまし、水妖の一員となったのです。この物語は15世紀頃に作られたもので、フランス中に広まり、尾が二つあるマーメイド姿(背中にドラゴンの翼を有している場合もある)の意匠は多くの紋章などに見られます。このような伝承があり、今でもこの町の人々は自分たちの事をMélusin(e)sと呼びます(普通の法則に則ればLusignais(e)とかLusignois(e)等になるはずです)。

Montmorillon / モンモリヨン
Montmorillonモンモリヨン駅下車。Poitiersポワティエから電車で40分程です。駅から中心部まではまったく栄えていない町の中をしばらく歩かなくてはいけません。中心部にしてもそれほど大きい訳ではなく、また旧市街地という雰囲気でもありませんが、落ち着いた田舎町と言う感じです。また、教会に向かう坂道には古本屋が軒を連ねており、いい雰囲気です。詳しくはSpécialité Régionalesのページに書きましたが、この一軒の菓子屋は「Musée de l’Amande et du Macaeonアーモンドとマカロン博物館」なるものをやっており、小さいながらも古道具やamandeの科学的なお話、フランス各地にあるmacaronについてなど興味深い展示を行っています。
この地域圏はその創設において、北西のNantesナントと首府とするPays de la Loireペイ・ド・ラ・ロワール地域圏、北東のToursトゥールを首府とするCentreサントル地域圏、南のBordeauxボルドーを首府とするAquitaineアキテーヌ地域圏という当時の政府にとって重要な地域圏(Pays……はBretqgneブルターニュ地域圏創設にあたっての措置(詳しくはPays de la Loire参照)、TourとBordeauxには世界大戦時にParisから避難した臨時政府も置かれた)に挟まれた空白地帯に、それを埋めるために3地域圏のどれにも歴史的に共通していいない地域圏として誕生しました。当時は元々長い事フランス王領であったPoitouポワトー州、Saintongeサントンジュ州、Aunisオーニス州、そしてフランス王に近いヴァロワ・オルレアン(後のヴァロワ・アングレーム)家の所領であったAngoumoisアングーモワ州の4州を空白地帯を埋めるという名の下統合されました。このように、同じような様々な歴史的領地の寄せ集めであるLanguedoc Roussillonラングドック・ルシヨン地域圏とは異なり(Languedoc Roussillon参照)、古くから長くフランス王家の一部として歩んで来たという歴史的・文化的バックグラウンドを持った地域で、かつ地形的にも全くの平地であるため、『地方菓子』についてはこの地域圏のみにあてがう事ができる特徴的な菓子が存在してます。
【Poitou-Charentes / ポワトー・シャラント】②
