Pâtisseries Régionales Françaises
フランス地方菓子
中世には現在のAllierアリエール県にあたる場所はBourbonnaisブルボネ公領(近世フランスのブルボン朝始祖Henri IVアンリ4世や、現在でもスペイン王室とルクセンブルク大公国に続くBourbonブルボン家系の原点)から州編成後はブルボネ州として、そしてそれより以南はAuvergneオーベルニュ伯領からオーベルニュ州という変遷を経てきており、また基本的には王家に近い立場であったことなどから、現在のこの地域圏は他のものに比べて非常に歴史的区分にそって作られていると言えます。 フランスのCentral Massif中央高地に位置する山岳地帯を有する地域圏で、肥沃な土地による農業が主な産業で、地方菓子においてもfruitsフルーツを活用したものが多くあります。また、山岳地帯としての性格を表現した菓子も存在しており、いかに『地方菓子』がその土地の特性を表しているかが見て取れると思います。山岳地帯であるが故にこの地域圏には多くのミネラルウォーターの源泉があります。日本で最も有名なのがVoivicヴォルヴィック(Puy de Dôme)ですが、他にもChâteldon(Puy de Dôme)Vichyヴィシー(Allier)、Arvieアルヴィ(Ardes sur Couze / Puy de Dôme)、Rozanaロザナ(Rouzat / Puy de Dôme)、Saint Géronサン・ジェロン(Haute Loire)、Sainte Margueriteサント・マルグリット(Saint Maurice / Puy de Dôme)、Saint Yorreサン・ヨール(Allier)などを買い求める事が出来ます(括弧内は源泉町名 / 所属県名、商品名と町名が同じ場合は所属県名のみ)。
【Auvergne / オーベルニュ】①
Le Puy en Velay / ル・ピュイ・アン・ヴレ
Le Puy en Velayル・ピュイ・アン・ヴレ駅下車。この町はスペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼の要衝として古くから栄えた町で現在でもHaute-Loireオート・ロワール県の県庁所在地であります。この町はその巡礼の道の一部として「Chemins de Saint Jacques de Compostelle en Franceフランスのサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路」の名で世界遺産にも登録されています。この町でひときわ目につくのは二つの山の上にあるSt.Michel d’Aiguilleサン・ミッシェル尖塔と大砲を鋳造して作られたマリア像です。この町の名産と言えるものがいくつかあり、まず一番にはdentelleレースがあります。これは菓子にも反映されており、編み込んだような形のchocolatなどがありました。第二にはlentilleレンズ豆が挙げられます。この町のlentilleは日本でも有名だと思います。