

Pâtisseries Régionales Françaises
フランス地方菓子
【Provence-Alpes-Côte d’Azur ( PACA ) /
プロヴァンス・アルプ・コート・ダジュール(パカ)】②

プロヴァンス・アルプ・コート・ダジュール、頭文字をとってPACAパカと称します。非常に公汎な地域を含んでいますが、他は思いのほか共通点が多いです。まず、歴史的に見ても何故この地域圏にHautes Alpesオート・アルプ県が入っているのかわかりません。ここは伝統的にDauphinドーファン伯領であり、その後のDauphinéドーフィネ州の南端に位置しており、文化的にもそちら寄りのものが多く見られます。他の地域は概して多くの共通点が見られますが、これは中世初期のRoyaume de Bourgogneブルグンド王国(Franche Comtéフランシュ・コンテ地域圏参照)から始まり、15世紀までは神聖ローマ帝国(形骸的にはブルグンド王国(アルル王国とも)の名の下)プロヴァンス伯領であり、その後はフランス領であったという歴史的バックグラウンドがあるためです。Alpes Maritimesアルプ・マリティーム県に関しては、同時期に一旦フランス領となった後、近世にはSavoieサヴォワ公国、それに続くSardaigneサルディーニャ王国(後のイタリア王国)の一部になり、フランス革命期にはフランスとサルディーニャ王国との間を行ったり来たりして最終的にフランスに併合されたのは19世紀半ばのことです。このようにAlpes Maritimesについては近代までイタリア文化の影響が続いていました。現在ではフランスのみならず世界的にvacancesヴァカンスのリゾート地として有名であり、個人的には温暖で過ごし易いイメージがありましたが、夏も湿気が多く、 もちろん冬は寒く て寒ければ観光客もいないですし、冬は夏とのギャップで非常に寂しい空気が流れています。

Apt / アプト
Gordesゴルドから車で30分くらいです。parc naturel régional du Luberonリュベロン自然地区の中では最も大きな町です。この町はProvenceプロヴァンス地方の中でも特に「Fruits Confitsフリュイ・コンフィ(フルーツの砂糖煮)」の一大産地として有名です。この町には工業博物館があり、「Fruits confits」の作業工程を垣間見る事ができます。町中にも数件のConfiserie糖菓店がありますが、製造工程等は見れないただのboutique売店です。郊外に行けば大きな工場があり、その行程を見る事が出来ます。また、この町は陶器の「faïence d’Aptアプト焼き」でも有名です。

Gordes / ゴルド
Valenceヴァランスから車で2時間くらいでした。parc naturel régional du Luberonリュベロン自然地区の山道を登って行くと突然右手に見えてくる、丘に張り付いたような村がGordesです。所謂「鷲の巣村」と呼ばれます。この村は「les plus beaux villages de franceフランスで最も美しい村」の一つに数えられ、その中でも特に有名です。村の中は石組みの家やその間をはしる細い道などその雰囲気はまさに「le plus beau village」です。冬のvacancesで訪れた事と、着いたのが夕方だったことから、多くの店舗は閉まっており、数店のrestaurantがやっているのみだったのが残念です。