Pâtisseries Régionales Françaises
フランス地方菓子
【Pays Basque / ペイ・バスク】
本来ならばAquitaineアキテーヌ地域圏に含まれる地域ですが、ここBasqueはこの地域圏のみならずフランス全土のなかでも独自の文化を築き、現在もそのアイデンティティを失っていない場所です。伝統的にBasqueはRoyaume de Navarreナヴァール王国による7つの地域からなっており、それがある時期からPyrénéesピレネー山脈を挟んで北部3と南部4に分かれました。南部はアラゴン王国(後のスペイン王国)に併合され、現在では3県によるバスク自治州とナヴァラ州としてEspagneスペインに自治を与えられて存在しています。フランス国内に位置する北部(Basse-Navarreバス・ナヴァール、Labourdラブール、Souleスール)はスペインの支配を受ける事無くNavarreナヴァール王国の名の下17世紀初頭まで続き、その後フランスに併合されてからは現在ではPyrénées Atlantiqueピレネー・アトランティック県の一部に過ぎません(左図参照)。このようにBasqueは歴史的にどのヨーロッパの大国の文化にも組せず、狭い地域で独自の文化を長く営んで来ています。ですので、ここではAquitaineアキテーヌ地域圏からは離して紹介したいと思います。
Aldudes / アルデュード
車にてSt.Jean Pied de Portサン・ジャン・ドゥ・ピエ・ドゥ・ポールから車で一時間くらい、スペインとの国境近くにある山深い村です。この村ではjambon cruジャンボン・クリュ(生ハム)を豚の飼育から作っているM.Pierre Oteizaのcharcuterieシャルルキュトリー(豚肉製品を売る店)があるので、訪問してみました。大規模な施設に何千というjambon cruが干されている光景は壮観です。また、pie noir du Pays Basqueという名前のバスク豚を広大な敷地で飼育しており、Basqueの牧歌的な山並みとともに非常に気持ちのよい場所でした。
Espelette / エスプレット
Bayonneバイヨンからバスで40分程です。公共機関を使って行くとすると日帰りはきついか無理だと思うので、村で一泊することをお勧めします。また、バスも季節によっては予約しなければ出てくれない場合のあるので注意が必要です。小さな村ですが、本当に牧歌的で村全体がまさに「pimentピマン(唐辛子)」っと言った感じです。観光客も多く、お土産屋が並んでいるものの、町並みはBasqueそのもので、またその周りにはBasqueの山並みが広がっています。この町は「pimentピマン(唐辛子)」の一大産地としてフランスのみならず、もちろん日本でもその名を目にする事ができます。ここのpimentは辛みはあまりないですが香りが強く、フランスではA.O.C.(appelation d’origine contrôlée原産地呼称統制)の指定を受けています。