la Loireロワール川下流に位置するこの地域圏は複雑な事情を抱えています。もともとNantesナントはブルターニュ文化圏に位置し、地域圏再編にあたりもう一つのBretagneの中心地であるRennesレンヌとの兼ね合いから、Bretagneからはずれ、この地域圏の首府として据えられました。住民は今でもBretagneのアイデンティティを持ち続けています。さらに東部の中心都市Angersアンジェに至っては東隣のCentreサントル地域圏との関係を主張しています。これはAngersがかつての州であるTouraineトゥーレーヌ、Anjouアンジュといった地域を拠点に発展していった公爵領の一部であったことに由来します。アンジュー家は一方でプランタジネット家とも呼ばれ、英仏百年戦争の発端にもなったイングランド王も配しました。このような歴史上の複雑な背景が今現在でも生き続けていることは大変興味深いですし、人々のアイデンティティは当然『地方菓子』にも反映されています。

​【Pay-de-la-Loire / ぺイ・ド・ラ・ロワール】

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Château Gontier / シャトー・ゴンティエ

Château Gontier / シャトー・ゴンティエ

Angersアンジェーからバスで40分くらいでした。農耕地帯の真ん中に建つ小さな町です。なんとなく古っぽい感じの町並みは残っています。

Angers / アンジェ

Angers / アンジェ

Angersアンジェ駅下車。Le Mansル・マンから1時間程です。Maine et Loireメーヌ・エ・ロワール県の県庁所在地であるだけに大きな町です。この地域圏の冒頭でも書いたように、この町は以前は「帝国」とも呼ばれたアンジュー家の首都として栄えた町でした。現在では大学都市として多くの学生をかかえています。また、郊外(Saint-Barthélemy-d'Anjou)にはorangeオレンジ風味のリキュールとして有名なCointreauコアントローの工場があります。

Sablé sur Sarthe / サブレ・スュル・サルト

Sablé sur Sarthe / サブレ・スュル・サルト

La Flècheラ・フレーシュから電車で20分くらいでした。みごとな旧市街が残っている訳ではありませんが、河岸にたたずむ城や教会など、雰囲気の良い町ではあります。この町は名前の通りsabléサブレが有名で、数多くのbiscuiterieクッキー屋が軒を並べます。ちなみにspécialitéとなるsabléが作られる以前からこの町の名前は「Sablé」でした。

La Flèche / ラ・フレーシュ

La Flèche / ラ・フレーシュ

Le Mansル・マンから電車で40分くらいです。小さな城と水辺がきれいな町ですが、旧市街といえるものが残っているわけでもなく、それなりに小さいです。この町にはParisのEcole Militaire陸軍士官学校の準備学校(高校にあたる)Prytanée national militaire陸軍幼年学校があります。

Le Mans / ル・マン

Le Mans / ル・マン

Le Mansル・マン駅下車。Parisパリから鈍行で2時間半くらいです。Sartheサルト県の県庁所在地であり、古くから栄えた町でもあるのでそれなりの規模をもっています。また、この町の名前は「Les 24 heure du Mansル・マン24時間レース」で世界中に知られています。その時期には大勢の見物客で町は賑わいます。駅から中心地までは少し離れており、上り坂を登って行かなければなりませんが、トラムも走っているので便利です。このようにこの町は非常に整備された町でありますが、小高い丘の一角には旧市街が残っています

La Roche sur Yon / ラ・ロッシュ・スュル・ヨン

La Roche sur Yon / ラ・ロッシュ・スュル・ヨン

La Roche sur Yonラ・ロッシュ・スュール・ヨン駅下車。Saint Nazaireサン・ナゼールから2時間くらいです。Vendéeヴァンデ県の県庁所在地であり、そこそこの規模の町ですが、近代的な町で旧市街と呼べる場所は皆無で、これといって”フランス的”ではありません。それもそのはず、この町はNapoléon Ⅰナポレオン一世によって1804年に新設された比較的新しい町なのです。この町は政治状況によって70年ほどの間に8回もその名前を改名したとして有名です。この町でもカメラが故障していて、ほとんど写真におさめることができませんでした。

Nantes / ナント

Nantes / ナント

Nantesナント駅下車。ParisからT.G.V.で2時間くらいです。Loire Atlantiqueロワール・アトランティック県の県庁所在地にしてこの地域圏の首府であり、古くはブルターニュ公国の首都もおかれた大きな町でフランス国内でも6番目の都市です。この地域圏の冒頭でも書いたように、Nantesは歴史的に見て疑いなくBretagneブルターニュ文化圏に入ります。しかし、中世後半から公国の行政権を巡り幾度もRennesレンヌと対立したため、革命後の再編でこのような割り振りとなりました。城もあり、旧市街もあり、また郊外には近代的な部分もある街でした。この街には「Debotté Gautier」という創業1850年の老舗chocolatier・confiseurがあります。

Saint Nazaire / サン・ナゼール

Saint Nazaire / サン・ナゼール

Saint Nazaireサン・ナゼール駅下車。Nantesナントから30分くらいです。フランス最大にして世界最大級の造船所をもつ町です。その工業的な発展のためか、町としてはそれなりの規模をもっています。しかし、その造船所としての重要性から第二次大戦ではドイツ軍によって町は壊滅的な被害を受けました。そしてその後の復興でも最小限の再建しかなされないまま、現在にいたっており、旧市街などといった観光資源は皆無です。また、残念な事にこの時期にカメラを壊してしまい、ほとんど写真に残す事が出来ませんでした。まあ、不幸中の幸いとしてこの場所であったわけですが、、、。

La Baule / ラ・ボール

La Baule / ラ・ボール

La Bauleラ・ボール駅下車。Saint Nazaireサン・ナゼールから30分くらいです。すぐ近くにfleur de sel天日塩で世界的に有名なGuérandeゲランドがあります。海岸線にそった細長く小さい町ですが、近代的に整備された夏の避暑地といった雰囲気です。この町はこのようにPays de la Loireペイ・ドゥ・ラ・ロワールに属するわけですが、もともとBretqgneブルターニュ文化圏であり、地図上でも隣っていることがわかります。